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2006.06


2006.06に読んだ本たち


◇モドキ ほしおさなえ

 ネット、パソコン社会。と今まで手にとらなかったジャンルだなと思いながら読んでいった1冊でした。とってもリアルな表現にどんどん入り込んでいって読んだ感じがします。漫画のような話で、映画になったらとっても面白いだろうなとも感じました。こんな世界は有り得ないだろうし、こないだろうけども。今も人の持ってる身勝手さとか、欲の深さが大きくなっていくと・・・。それでも結末がちょっと切なくって哀しかったりもしました。



◇おまかせハウスの人々  菅 浩江

 深読みせずに、面白かった!といえる本でした。SF?といっていいと思うのですが、突拍子もない出来事が起こるのではなくて、近未来。本当にすぐそこの将来では有り得るのかもしれない。くらいのSF。でもその絶妙な発想にへえ~と、そうくるのか~と、楽しむことが出来ました。もしこんな未来がきても、最後は人と人との繋がりだとか、人間らしい感覚だな、と思わせてくれるところも好きでした。



◇All Small Things  角田光代


 ひさしぶりの角田光代さんの本です。やっぱり暖かく優しく染みてくる書き方をされる方だなあと思いました。素直に読める角田さんの文章の書き方が私はとても好きです。質問を次の人へと渡してゆくことで、話の主人公がバトンタッチしてゆくというスタイル。それぞれの主人公の話す事が日常の中のほんの小さな。でも、だから大切にされているような内容でした。劇的な特別な事って普通の生活の中には、そうそう起こるものじゃない。そして、実はたまに訪れる劇的な事ではなくて、ありふれているようにみえる些細な事が一番大切で、一番心の残るような宝物のようなものなんだなあ。と思いました。
 心に残る、覚えておきたい素敵な文章も沢山ありました。「奇跡なんて毎日飽きるほどある。十円拾っても奇跡と思えるような毎日。飽きるほどあっても絶対飽きないからさ」
「誰もが持ってる小さないとしい時間」。そこを本当に輝かせてくれている一冊でした。
 毎日の中で、起こるささやかな実は大事な出来事を、時間を。その時に気づけるか。だけの違いかもしれないですね。幸せかどうかって。
 



◇ペダルの向こうへ  池永 陽


 はじめて手にとった作家さんの小説です。表紙の可愛いらしさと新しい人のを読みたいなと思って選びました。長編なのですが、短編が続いて全体になっている形。ひとつひとつの話には少し現実から離れた幻想が入っていて、
生きていくことって、というのを考えさせようとしてくれている話なのだと思いました。
 私の感覚では、全体を通してもっていた出来事の結末がちょっとあっけなくて、あれ?と感じてしまったところがあるので、長編としての全体の話の流れよりも、ひとつづつの物語として、の良さの方があるかなと感じました。


◇重力ピエロ  伊坂幸太郎


 期待を裏切られないすっきりした感覚のもてる本でした。
 途中から、謎解きにわくわく、続きをとても期待させれれながら。でも、私は全体的に出ている主人公の家族の、ちょっと不思議な関係にありながら、しっかりと築き上げられている良い印象の方に惹かれながら読みました。普通の主人公と、少し神秘的な雰囲気を持つ弟と。普通なのに、自然に発する言葉や、動作がいろんなものを超えたように救いと暖かさを持っている父と母。
 全ての登場人物が相当に恰好いい!です。
 「気軽にさよならが言えるのは別れの辛さを知らない者の特権」「桜の花がたゆたう川」など、耳に残る嬉しい言葉の発見もあったりして、おまけの得までした気分になれた本でした。




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